マイクロファイナンス

最近スタートしたソーシャルレンディングを説明している際に、たまにマイクロファイナンスと混在する方もおり。私の説明が分かり難かったのかと思い反省しつつ、再度マイクロファイナンスについて考える良い機会となりました。弊社サービスの場合、借手は1つの企業ですが、貸手が小口から投資できる多数の特定(会員登録)された投資家となっています。その反面、昨今のマイクロファイナンス(小口金融)の場合は、特定された多数の借手(貧困者向け)に対して、1つの銀行が貸手となって融資をしているという事。簡単に話すと、この「1対n(複数)」の関係が逆になっているということでしょうか?

マイクロファイナンスで世界的に有名なのがバングラデシュのグラミン銀行ですね。マイクロクレジット(小口融資)で、貧困層に対して現地での調達レートより低い金利で、主に女性に対して、無担保融資している銀行。バングラデシュでは、この貧困層向けには極端に高い金利でしか貸手がいない状態ですが、グラミン銀行は、金利水準を下げ、融資で家計を圧迫しない程度にしたそうです。融資は主に土地に根付いている女性に対して行い、5人で互助し合う関係性を構築して、なるべく小まめに回収を促し返済するという習慣づけをすることで、貸倒率を極度に抑えることが出来たそうです。なかなか素晴らしい取り組みであり、その功績が認められ創設者ムハマド・ユヌスさんは2006年にノーベル平和賞を授与されていますね。

でも、いつからマイクロファイナンスは、貧困者向け、又は貧困問題の改善目的と結びついたのですかね。この取り組みを中央政府の施策として展開しているであれば別ですが、事業を展開する会社としては、収益を確保するのは当たり前のこと。バングラデシュでは、貧困者向けには、年利100%超でしか借入が出来なかったなか、リスクを取って年利20~30%に下げて、借入する貧困者の生計を圧迫しない「融資→返済」サイクルの仕組みを作ったことが凄いと思います。このように事業者主導で、社会問題の1つの解決案として、スキームをつくり上げ、リスクをとり行動に移したことは、我々も見習うべきだと感じました。

遠い将来かもしれませんが、マイクロファイナンスとソーシャルレンディング。。。この2つの世界が繋がったら本当に面白いことが起こると思いませんか?少額から投資できる日本の個人投資家が、世界の貧困者向けの小口融資を支えられれば、1つの画期的なイノベーション。本当の意味で社会を繋いで支える構想です。